ガスケットとは?パッキンとの違いや車・バイクへの使用方法を解説
「車のエンジンから変な音がする」
「バイクの排気音がいつもと違う」
このような状態になっている原因として、ガスケットの摩耗が考えられます。
とはいえ、車やバイクの専門家ではない方や、理系の仕事についていない方にとって、「ガスケット」といった言葉はあまり聞き馴染みがない言葉です。
そこで、本記事ではガスケットの役割や材質・種類による使用部位の違いを解説していきます。
ガスケットが摩耗すると車やバイクにどのような影響を及ぼすかも紹介していますので、併せて参考にしてください。
ガスケットとは?パッキンと何が違う
ガスケットとパッキンは、どちらも部品の接続部分に使用するシール材をさします。
パッキンは、シリンジなどの動作をともなう部品の接続に使われます。
一方、動かない部品に使われるのがガスケットです。
しかし、メーカーによっては動作をともなう部品に使用するシール材をガスケットと呼ぶ場合もあります。
ガスケットとは|止まっている部分に使用
ガスケットは、前述のとおり動かない部品同士をつなぐ際に利用するシール材です。
ガスケットによって、機密性が向上し、液漏れや異物混入などを防ぎます。
部品の間にガスケットを挟み、ボトルなどで固定して使用する場合が多いです。
基本的には使い捨ての部品となっており、用いられる素材によって劣化するスピードは異なります。
パッキンとは|動いている部分に使用
パッキンもガスケットと同じように部品の接続部分に挟むシール材です。
ただし、ガスケットとは違い、動く部分にとりつけます。
例えば、上下運動するシリンジやポンプの回転軸部分などです。
パッキンは駆動部分や運動部分によく使用されるため、耐摩擦が低いケースがあります。
常に緩衝されるため、用いる素材を間違えると頻繁に交換が必要となってしまいます。
ガスケットの材質は3つある
ガスケットはさまざまな材質のものがあり、主に以下3つに分けられます。
● 金属ガスケット
● セミメタリック
● 非金属
それぞれのガスケットについてみていきましょう。
①金属ガスケット
金属ガスケットとは、その名のとおり金属を用いたガスケットです。
さらに金属の種類によって3つのガスケットに分類されます。
メタル | 鋼やステンレスが主素材
圧力や温度の高い場所によく使われる バイクや車のパーツにも多用されている |
ドレンワッシャー | 銅やアルミニウムが主素材
素材の性質上、柔らかく潰れやすい 部品の一部として使用されるケースが多い |
リングジョイントガスケット | 鋳造された金属を用いている
チタン・ニッケル銅合金・アルミニウムなどが多い 高圧・高温のガス・蒸気・油の配管などによく使われる |
②セミメタリック
セミメタリックガスケットの主な種類は以下の2点です。
うず巻き形 | 金属とフッ素樹脂などの緩衝材を交互に重ねた形状のガスケット
蒸気などの流体配管によく用いられる |
メタルジャケットガスケット | 耐熱性の強い素材をステンレスなどでおおった形状
耐アルカリ・耐酸または高圧・高温のフランジによく用いられる |
③非金属製
非金属製のガスケットには以下の6種類が存在します。
ジョイントシート | ゴムや無機繊維などを配合したガスケット
最も主流で汎用性がある さまざまな場面で使用されている |
ゴムシート | 「Oリング」とも呼ばれている
ゴムやシリコンゴムを用いたシート状のガスケット バイクの部品としても多用されている |
PTTE | フッ素樹脂やテフロンが主素材
耐薬性があるため、薬品や食品の機械によく使われている 金属よりも熱の影響を受けやすい |
ヘルシーガスケット | エチレンプロピレンゴムなどが使用されている
サニタリー配管に用いられるため「サニタリーガスケット」ともいわれている |
液状ガスケット | 液体状であり、気体の漏れを防止する際に利用される
少し塗るだけで効果を発揮できるためコスパがよい |
テープシール | テープの形状をしている
用いられる場所は多種多様 |
車・バイクのサッシやマフラーにもガスケットが使われている
ガスケットは、車やバイクの部品としてもよく使われています。
そのため、車体に不調を感じた場合はガスケットの摩耗が原因のケースも少なくありません。
次の項目では、ガスケットが使われている部位や、経年劣化によって発生するトラブルの内容について解説していきます。
車の使われている種類や部位
車では、エンジンの内部や吸排気の部位に使われています。
経年劣化によって機能が減少すると、大きな故障の原因になる可能性も少なくありません。
エンジンの場合、エンジンオイルに冷却水が混ざり、乳化してしまう危険性があります。
吸排気系だと、排気音に異常がみられるといったケースも多いです。
基本的に消耗品ですので、メンテナンスのついでにガスケットも確認しておくとよいでしょう。
バイクに使われている種類や部位
バイクも車と同じようにエンジンや吸排気系の接合部分に用いられています。
ほかにも、サスペンション関連や電装関連、ブレーキなど、使用部位は多いです。
エンジンや吸排気系のガスケットは金属製を用いているため、長く使い続けると強度が落ちてひび割れする危険性もあります。
エンジンのメンテナンス時に、ついでとしてガスケットも確認しておくと安心です。
まとめ|ガスケットはこまめなメンテナンスが大切
ガスケットとは、配管などの部品間に挟み、機密性を高めるための部品です。
工場の機械から車・バイクまでさまざまな場所に使用されています。
車やバイクの場合は、エンジン・吸排気系の部分に使われています。
そのため、経年劣化によって機能しなくなった場合、大きなトラブルになるケースも少なくありません。
車やバイクをメンテナンスする際は、ついでにガスケットも確認しておくと安心です。