潜熱とはどのような意味?潜熱の定義から具体例を交えてわかりやすく解説!

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潜熱とはどのような意味?潜熱の定義から具体例を交えてわかりやすく解説!

皆さんは、潜熱という言葉をご存じですか?
潜熱は、身近な出来事や自然現象からエアコンなどの熱交換器に至るまで多くの場面で確認することが可能です。
また、潜熱に関連する言葉には顕熱や状態変化といった専門的な用語も多く登場します。

そこで今回は用語の定義を紹介し、具体例を交えながら潜熱について解説していきます。

潜熱とはどのような意味?潜熱の定義から具体例を交えてわかりやすく解説!

潜熱とはどのような意味を持つ言葉?

潜熱とは、物体の状態を変化させるために使われる熱を指します。
また、潜熱と関連する言葉には顕熱という用語もあり、混同することが多いかもしれません。
本項では、状態変化の概要を確認した上で、潜熱と顕熱の詳細を解説していきます。

状態変化とは?

状態変化とは、物質の三態である固体・液体・気体の状態を変える物理現象です。
例えば、水の状態変化の場合、水の温度を0℃以下にすると水は氷へと変わります。
この時、水の状態が液体から固体へと変わっていることがわかりますね。

一方、水の温度を100℃以上にすると水は水蒸気へ変わります。
この現象は、水が液体から気体へと変わる物理現象(蒸発)です。
したがって、状態変化は温度によって物質の物理的な性質を変える現象を指しています。
また、物理学では三態の状態変化を以下の用語で呼んでいます。

・融解:固体から液体に変わる現象 ⇔ 凝固:液体から固体に変わる現象
・蒸発:液体から気体に変わる現象 ⇔ 凝縮:気体から液体に変わる現象
・昇華:固体から気体へと変化および気体から固体へと変化する現象

上記は、熱を扱う話において多く登場するので、記憶の片隅に置いておくと良いでしょう。

潜熱の定義は?

JIS B 8624では、潜熱を等圧の下で物質の相変化の時に吸収・排熱される熱と定義しています。
上記は、物質の状態を変える時に使われる熱を示しており、水の蒸発に使われる熱がその一例です。
沸騰したお湯をさらに熱し続けると、お湯の温度は100℃をキープしたまま水蒸気に変わりはじめます。

この時、沸騰したお湯を熱し続けているのにもかかわらず、温度がキープされる理由は、熱がお湯から水蒸気に変わるために使われているからです。
また、水から氷へと変わる際も同じことが言え、水の温度は氷に変わるまで0℃をキープします。

この現象は、水が熱エネルギーを排熱して氷へと変わっているからです。
上記のように、物質の状態を変えるために必要な熱を潜熱と言います。

顕熱の定義は?

潜熱に関連した用語には、顕熱という言葉があります。
JIS B 8624では、顕熱を等圧の下で物質の温度変化のために吸収・排熱される熱と定義しています。
顕熱の代表例は、水を沸かす際に水の温度が上がっていくために使われる熱です。

したがって、潜熱は物質の状態を変えるために使われる熱で、顕熱は物質の温度を変えるために使われる熱を指していることがわかります。

潜熱はどのようなケースで確認できるの?具体例を3つ紹介!

前項では、潜熱や顕熱の違いを状態変化の概要から解説しました。
また、潜熱は身の回りの出来事で使われていたり、さまざまな製品に応用されています。
本項では、潜熱が使われている代表例を3つ紹介します。

例① 打ち水

打ち水を行うと、周囲の温度が下がり過ごしやすくなった経験をお持ちの方も多いかもしれません。
打ち水は、太陽の光で熱された地面に水をかけることで、地面を冷やす効果を期待しています。
しかしながら、打ち水は水の温度で地面を冷やしているだけではありません。
打ち水を行なっていると、水が熱い地面に触れて水蒸気へと変わることがあります。

これは、水が地面の熱を吸収し、状態変化を起こしているからに他なりません。
結果として、地面から熱が奪われて、涼しく感じることができます。

例② エアコン

エアコンも潜熱を利用した技術の1つです。
エアコンは、室内にある装置から室外機へと熱を移動させて室内の温度をコントロールしています。
冷房の場合では、主に以下のステップで室内を冷却しています。

1.エアコンに室内の空気や湿気(水蒸気)を取り込み冷却する
2.湿気(水蒸気)を結露水へと変える
3.室外機を使って外に熱や結露水を放出する

この時に、エアコンは室内の温度を変える顕熱と室内の湿気(水蒸気)から熱を奪って結露水へと変える潜熱を利用して、室内を冷却しています。
したがって、エアコンは潜熱と顕熱の両方の効果を使った製品だということが可能です。

例③ 雲の発生

自然界にも、潜熱による物理現象が多く存在します。
その1つとして、以下のステップで発生する雲の例が挙げられます。

1.川や海の水が太陽の熱を吸収
2.水蒸気が発生
3.水蒸気が上空に昇る
4.水蒸気が周囲に熱を排出
5.水蒸気が水滴へと変化
6.雲が発生

上記の現象では水と水蒸気の状態変化を繰り返しており、ステップ1と4にて吸収したり、排出したりする熱が潜熱です。
したがって、雲の発生は潜熱を含めた物理現象だということができます。

潜熱とはどのような意味?潜熱の定義から具体例をまじえてわかりやすく解説!まとめ

今回は、潜熱について状態変化の概要を踏まえて解説をしました。
また、潜熱は身近な出来事や自然現象からエアコンなどの熱交換を行なう製品にも利用されています。
本記事を参考に、潜熱についての理解が深まれば幸いです。

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