チラーとは?水槽内蔵式と水槽なし式の違いなど解説!
工場などに設置されている、「チラー」と呼ばれる四角い装置を見たことはないでしょうか。
たとえあったとしても、それがチラーだと分からない人がほとんどかもしれません。
日常で目にする機会がほとんどないため、その知名度は極めて低いでしょう。
しかしチラーとは、さまざまな業務を行う上で、大いに重宝されている機械です。
本記事ではチラーの意味・利用シーンや種類ごとの特徴について紹介していきます。
チラーについて詳しく知りたい方は、ぜひお読みください。
チラーとはどんなものなのか
チラーを使用している仕事に携わっている人を除けば、そもそもチラーのことを全然知らないという人が大半だと思います。
そこで、まずはチラーの意味や利用シーンについて解説していきます。
チラーとは
チラーとは、水などの液体を理想の温度にするために使われる装置のことです。
冷却から加熱まで幅広く温度調節できますが、どちらかというと冷却を目的として使われることが圧倒的に多いです。
そのため、チラーのことを「冷却水循環装置」と呼ぶ場合もあります。
また、一口にチラーといっても、目的や構造などでさまざまな種類に分けられます。
詳しくは後ほど解説していくので、ぜひそちらも参考にしてください。
チラーの利用シーン
チラーが持つ温度調節機能は幅広い場面で活躍していますが、主に産業分野で利用されていることがほとんどです。
半導体を製造する工場では、洗浄装置やパッケージング装置など、さまざまな機械に導入されています。
もちろん工場だけでなく、他の分野においてもチラーの存在は欠かせません。
例えば、医療の場面では、MRIに使われるヘリウムガスを冷やす役割を果たしています。
縁の下の力持ちとして、チラーは私たちの生活を陰ながらずっと支えて続けているのです。
空冷式と水冷式について
チラーの冷却方法は、空冷式と水冷式の二つのタイプに分類されます。
その名の通り、空冷式チラーは空気を使った放熱方式で、水冷式チラーは水を使った放熱方式です。
詳しい仕組みや特徴について、それぞれお伝えします。
空冷式チラーの特徴
空冷式チラーは、内蔵されたファンモーターを使って外気を取り入れることで、排熱する仕組みです。
水冷式より優れている点を挙げるなら、配管を設置する必要がないということでしょう。
ただし、熱が外気へと放出されるので、室内が暑くなってしまいがちです。
また、騒音も多少あるため、場合によっては少し不快に感じてしまうかもしれません。
水冷式チラーの特徴
水冷式チラーは冷却水回路を通して冷却水と熱を交換することで冷やす方式です。
空冷式と違って、室内が暑くなってしまうということがありません。
効率良く、さらに騒音を気にすることなく冷却できる点が水冷式の大きなメリットといえます。
デメリットは、配管工事を行うのにお金や手間がかかってしまうということです。
なるべくスピーディーに冷やしたい場合は、水冷式を選ぶことをおすすめします。
水槽内蔵タイプと水槽なしタイプについて
チラーには空冷式・水冷式だけでなく、「水槽内蔵」と「水槽なし」の二つのタイプが存在します。
それぞれどんな特徴・メリットがあるのかについて解説していきます。
水槽内蔵タイプと水槽なしタイプの違い
水槽内蔵タイプ(密閉回路用・クローズ回路用)はその名の通り、水槽が圧送ポンプと一緒にチラーの中に内蔵されているタイプです。
一方、水槽なしタイプ(開放回路用・オープン回路用)では、外部に設置されている水槽の水をポンプで引いて冷却していきます。
チラーを設置することを考えているのであれば、元々水槽があるなら水槽なしタイプ、そうでない場合は水槽内蔵タイプを選ぶのがおすすめです。
ただし水槽なしタイプは水槽容量の制限が決められているため、事前に必ず確認しておきましょう。
水槽内蔵タイプ・水槽なしタイプの各メリット
水槽内蔵タイプは、外部に水槽を設置する必要がありません。
つまり、わざわざ新しく水槽やポンプを買わなくて良いのがメリットといえます。
一方水槽なしタイプは、水槽内蔵タイプに比べて小型になっているものが多いです。
そのため、比較的狭いところにも設置することができます。
チラーと水槽が別々になっていることで、何かの際にはそれぞれを買い替えするということができるのもポイントです。
まとめ
今回は、チラーの意味・利用シーン・種類などについて紹介しました。
適切な温度調節や冷却を行ってくれるチラーは、工場をはじめ多くの業務に貢献しています。
また、同じチラーでも、空冷式と水冷式、水槽内蔵タイプと水槽なしタイプで特徴が異なるのも重要なポイントです。
今後、チラーを導入したいと考えている方は、それぞれの特徴を踏まえて自社の用途や場所に合ったものを選ぶようにしましょう。
ちなみに、チラーの費用は種類によって大きく差はありますが、一般的に数十万円から購入することができます。
かなり高額な買い物となるので、購入する際はじっくり選びましょう。